会社を倒産させるという事

35歳で会社を倒産させた壮絶な日々を赤裸々に綴ります。

2016-01-01から1年間の記事一覧

9.会社設立から倒産までの軌跡 ~先行投資の罠~

僕は4ヶ月の鬱憤を晴らすように売りまくった。 不動産売買の入金は遅い。 早くて1ヶ月後、遅いものだと半年も先になる。 9月に契約したものの入金が翌年の3月だったりするのだ。 日銭を稼げる小売業が本当にうらやましかった。 とはいえ、まとまった額の…

8.会社設立から倒産までの軌跡 ~悲願の初契約~

売れない。 車は燃えてなくなった。 お金もない。 会社設立して早4ヶ月。 僕は崖っぷちだった。 手元のお金は20万円くらい・・・。 家賃の支払いとガソリン代その他諸々で行先は既にきまっていた。 親には頼れないし僕は奮起するしかなかった。 人間は奮…

7.会社設立から倒産までの軌跡 ~「燃えてるの、僕の車です。」~

永遠ステ看論を語った僕であったが、実を言うと独立してから4ヵ月間のも長きに渡り僕は物件を売ることが出来なかったのだった・・・。 ステ看についてはこの頃毎日400枚朝から晩まで貼っていた。 足立区某所で現地販売会を行うにあたり、埼玉県の草加駅…

6.会社設立から倒産までの軌跡 ~ステ看~

僕はお金はないが、とりあえず宅建業者免許の申請をした。 申請だけだとたしか3万とか4万くらいだったと思う。 どの道2か月近く審査でかかって、そのあとに約160万円の支払いなのでそれまでにお金を作ろうと考えたのだ。 この時5月の話だが、生活費や…

5.会社設立から倒産までの軌跡 ~一年生になったら~

僕はいまだに自分のようにギリギリで独立した人と会っていない。 ギリギリお金が足りるならまだしも、既に足りないのだ。 赤字10万円と書いたが、そこには生活費もなければ来月の事務所の家賃はどうするんだという話もある。 会社も辞めた。まわりにも独立…

4.会社設立から倒産までの軌跡 ~計画と現実~

僕は不動産業を開業するにあたり300万円で余裕だと考えていた。 最初は自分ひとりとフルコミッションの人間使ってやるつもりでいたから。 何回も綿密に計算していた。 今考えるとものすごいザル計算だ。 会社登記・・・・・約25万円 事務所費用・・・約…

3.会社設立から倒産までの軌跡 ~自己資金0円で独立~

僕が不動産売買の仲介業として独立を決めたのは2009年12月の事だった。 年末年始は休みがあったのでゆっくりと考える時間があった。 先走る気持ちを抑えて色々と考えた。 本も何冊も読んだ。 やっぱり僕は松下幸之助氏が好きだ。 随所に好きな所はある…

2.会社設立から倒産までの軌跡 ~「300万円でやってみろ!」~

K取締役との話から僕は色々と一人で考えた。 なんとなく見当はついていた。 29歳の僕は、不動産屋で独立するのが明確な夢だった。 3年くらいはその気持ちを持っていた。 独立するほとんどの人は、自分が独立すると決めたらコツコツと貯金をして目標とし…

1.会社設立から倒産までの軌跡 ~「夢はあるか?」~

あらためまして、はじめまして。 会社を倒産させるという事 をお読みいただいた方、ありがとうございました。 これから書いていくブログは、会社を作って初めて社長になり紆余曲折ありながら会社をやっていった内容を書きます。 「会社を倒産させる事」を熱…

18.復活

長いブログをお読み頂きありがとうございました。 全部でこれを含めて18話になりました。 破産を決意したのが平成25年10月頃 裁判所の破産開始決定がでたのが平成26年3月5日 それから6回の債権者集会 免責許可がおりたのが平成27年9月9日 今…

17.債権者集会(第6回・最終回)

前回の債権者集会が終わってからというもの、裁判官の最後の言葉が気になりながら過ごしました。 と、同時に裁判官からは再度過去の会社への入出金と個人の入出金をまとめたり、お金を何に使ったか? 口座に記載されている名前の人との関係性や何の取引で契…

16.債権者集会(第5回)

2015年6月4日 5回目の債権者集会 結論から申し上げますと、今書いている僕はもう債権者集会も終結して新たな気持ちと、忘れてはいけない過去を持ち合わせながら生きています。 ここからは、今までの大変さとは裏腹にこんなに簡単かと思うくらいでした…

15.債権者集会(第4回)

2015年3月5日 14:30~ 4回目の債権者集会 僕は今回で終わると思っていた。 結果から申し上げると今回で終わらなかった。。。 正直がっくりした。。。 このブログも僕がさも悲劇のヒーローのような書き方で嫌気がさしてきている。 でもこれから会…

14.債権者集会(第3回)

12月4日 14:30~ 3回目の債権者集会の日 僕はこの日で終わるものだと確信していた。 なんせ前回は5分たらずで終わったうえに、資産隠しの疑いも晴れているはず。 僕はどうしても年内に決着をつけたかった。 モヤモヤしたまま月日ばかりが経ってい…

13.債権者集会(第2回)

9月4日 14:30~ とうとうまたこの日がやってきた。。。 2回目の債権者集会 前回の流れと元社員とのトラブルを考えれば、今回はきっと荒れるはずだ。 当然眠れていない。 まだまだ夏だから、ものすごく暑い日だった。 僕は今も不動産屋で現場に行くこ…

12.資産隠し

第一回債権者集会は非常に次への不安を残す形で終わってしまった。 次はもっと荒れるのではないか・・・。 そんな印象を受けざるを得なかった。 なんせ 資産隠しをしている 証拠もある と、言われているから。 これに関しては本当に僕はしていない。 できる…

11.債権者集会(第1回)

5月30日 いよいよ債権者集会の日 僕の気持ちとは裏腹によく晴れていた。 14:30~スタートのため14:00の裁判所ロビーで弁護士の先生と待ち合わせをした。 当然ながら一睡もしていない。 極度の緊張のためだ。 98kgあった僕の体重はこのとき8…

10.破産管財人との打合せ

3月5日の破産開始決定から2か月以上先の債権者集会。 裁判所から選任された破産管財人(弁護士)と面談をした。 破産管財人は女性との事。 なんとなく少し安心したのもつかの間、色々な事を厳しく追及された。 女性だから安心なんて考えた僕がバカだった…

9.破産開始決定

僕は逃げた。 とことん逃げた。 ずるい男だと思う。 正直ここまでしんどいものだとは思わなかったからだ。 こんな時に人間の本当の姿がでるのかもしれない。 逃げるのがいいのか? 無い袖は振れないと開き直るのか? 謝る事しかできなくても頭を下げ続けるの…

8.夜逃げ

弁護士にも会社の破産手続きを依頼をした。 同時に個人の破産も当然ながら依頼をした。 当初2013年12月に依頼したかったのだが、紆余曲折あり2014年1月末になってしまった。 やりとりは全部弁護士がやってくれるのか。 少しだが肩の荷が下りたよ…

7.Xデー

2014年1月 僕は中途半端な気持ちのまま正月を迎えた。 12月31日まで鳴り響いた電話も急に静かになっている。 「そうか、さすがに正月は鳴らないんだな。」 そう思った。 何か月ぶりの平穏だろうか。 ここまでくると逆にそれはそれで不安なものだっ…

6.誤算そして誤算

不動産会社の社長としてお客様との最後の仕事だった。 もうこれ以上はやりたくてもできない。 最後くらい良いものにしたいと思っていた。 会社経営もこのくらいまでいくとどこからも運転資金を貸してくれる金融機関がなくなってしまうものだ。 当然僕も銀行…

5.Xデーまでの日々

街はコートを着る人も増えてきた。 風もだいぶ冷たい。 「会社を倒産させるという事」 僕の中の船は大海原への航海が始まったばかりだ。 何が起こるのか想像もできなかった。 この時の僕の体重は98kgもあった。 ストレスも半端ではなかった。 ちなみに今の…

4.顧問弁護士への相談

11月某日、よく晴れていたが、すっかり風も冷たくなってもう秋という感じ。 僕は顧問弁護士に初めて会社を倒産させる相談に行った。 「先生、今の裁判の件も心配なのですが、実は会社を整理しようと思うんです。」 弁護士費用の支払いの遅延もあったので弁…

3.倒産準備

前回書いたように、僕は最後の勝負に負けたので潔く会社を倒産させる準備にはいる事にした。 とはいえ、何から手を付けていいのかわからない。。。 この時実は在庫が2件あり、既にお客様とご契約をしていた。 この2件の土地だけは無事にお引渡しをしてあげ…

2.迷い

続きを書きます。 一応あらすじというか、僕は不動産会社の社長だった。 簡単に言えば土地を仕入れて売る仕事。 仲介もやっていた。 今倒産を考えている社長さん達の少しでも役にたてばと思い書き始めました。 まわりは敵しかいない。そんな心境だと思います…

1.会社経営者の方へ

はじめまして。 この先、これを読む人がいるのかいないのかわからないが、日記代わりにでもなるかなとの思いで書いてみる。 ただ、 僕が会社を倒産させる時には、人のブログが大変役にたった。 なんせ経験談でしょうから。 僕のも役に立つと思う。 自己紹介…