会社を倒産させるという事

35歳で会社を倒産させた壮絶な日々を赤裸々に綴ります。

12.資産隠し

第一回債権者集会は非常に次への不安を残す形で終わってしまった。

次はもっと荒れるのではないか・・・。

そんな印象を受けざるを得なかった。

 

なんせ

 

資産隠しをしている

証拠もある

 

と、言われているから。

 

これに関しては本当に僕はしていない。

できるわけもないと思っていた。

できるものならしたい。とも思うくらいだ。

 

いったい証拠とはなんだ?

本当に証拠があるならどこからの情報か?

 

僕には心当たりがあった。。。

 

実はこの頃、辞めてもらった元社員と金銭トラブルになっていたのだ。

会社にお金がないなんてやはり納得できないと。

営業会社であるから給与体系はやはり固定給にインセンティブもある。

そのインセンティブが納得できないようだ。

 

とんでもない話である。

 

僕は払いすぎなくらい払っている。

それでいて赤字現場の分はいっさい給料から引いていない。

本人もわかってはいるが、5000万円以上の赤字を出してしまった現場がある。

そこから会社が厳しくなったのは言うまでもない。

5000万円の赤字の現場という事は、単純に考えても5000万円の現金が必要だ。

それを作るのがどれだけ大変だったか。

潤滑に現金があれば良い。

でもそんなお金はなかった。

当然他も現場をやっていたので、あちらこちらに現金は寝ている。

運転資金を差っ引いて考えても、どうしても3000万円の現金が必要だった。

しかも早急に。

現金を持っていなくて作ろうとすると、単純に表面上5000万円の赤字でも5000万円では済まなくなるのが経営である。

「頭は動くが、身体の自由がなくなる。」

そんな感じである。

 

一社員にそれをわかれというほうが無理があるので、それは説明していない。

僕も社員時代には納得できなかっただろうから。。。

 

どうやら債権者と元社員が連絡を取り合っているらしい。

僕はそれに気づいた。

 

僕は詐欺で訴えられる。

 

直感で僕はそう思った。

 

そしてそれは的中であった。。。

 

とうとうその時はきてしまった。

僕は元社員に脅されたのだ。

考えてみれば恐喝かもしれない。

でも僕は詐欺のような事はしていない。

ご丁寧にICレコーダーまで用意して僕を詰めてきたのだ。

激しく言い合いをした。

ただ、

それでも僕は潔白である。

彼とはその日以来連絡をとっていない。

 

債権者とどのような方法で僕を追いつめるのかさすがに不安はあった。

でも僕は僕の主張をするしかない。

 

彼は僕と二人三脚でやってきた社員だ。

なんだか寂しい気持ちになっていた。

裏切りだとは思わない。

もっと自分がしっかりしていればこんな事にはならなかったんだと反省している。

でも、人は怖いなと実感した。

そして経営も怖いなと。。。

 

僕は第二回債権者集会がますます不安になっていた。。。