会社を倒産させるという事

35歳で会社を倒産させた壮絶な日々を赤裸々に綴ります。

9.破産開始決定

僕は逃げた。

とことん逃げた。

ずるい男だと思う。

正直ここまでしんどいものだとは思わなかったからだ。

 

こんな時に人間の本当の姿がでるのかもしれない。

逃げるのがいいのか?

無い袖は振れないと開き直るのか?

謝る事しかできなくても頭を下げ続けるのか?

どれが正解なのか、他に選択肢があるのか今でもわからずにいる。

ただ一つわかるのは、「ここまでこなければ良い」である。

 

しかしながら僕にとってマイナスだけではないという事もある。

 

①身をもって体験した事なので、二度と同じ失敗はしないと思う。

※する人もいるがそれもプラスなのかもしれない。

 

②お金の大切さが実感できるとともに、お金の虚しさを知る。

 

③まわりの人の人間性が見えてくる。

 

④人への感謝の気持ちが強くなる。

 

こんな感じだと思うが、特に③だ。

一度でも儲かると、驚くくらい人が寄ってくる。

しかも異性にモテる。

しかし会社が傾くと、去る人、説教する人、心配してくれる人、心配してるフリして喜んでいる人。

と、色々でてくる。

これを読む人は既に実感している人もおられるだろう。

とてもよくわかってしまうものだ。

僕が今までになく人を疑いの目で見てるからかもしれない。

もっとよくわかるのが、こんな状況の僕を真剣に助けてくれようと頑張ってくれる人もいる。

人との付き合い方が良い意味で変われたのかなと思う。

 

今回の経験は自分にとって将来必ずプラスになる!

 

話を戻そう。

 

弁護士が受任通知を債権者に送ってからというもの、何度となく弁護士と打ち合わせの時間が設けられた。

債権者からの指摘事項などの確認だ。

○○のお金は何に使ったか?などだ。

ちなみにこの頃になると、会社の実印含めて印鑑や通帳はすべて弁護士に預けてしまうから何もできなくなる。

僕の場合はそもそも会社にお金がなかった。

 

僕の場合は建築中の現場が7件あったというのもあるが、債権者との話し合いはかなり難航しているとの報告を受けていた。

「おそらく債権者集会にも来ると思います。誠意をもって謝罪して下さい。」

と、弁護士から告げられた。

そうか、逃げてはいても債権者集会で顔を合わすんだなと思うとかなり気が重くなっている自分がいた。

 

時間はかかったが、書類もすべて整い裁判所に破産申立てをした。

これらもすべて弁護士の先生が行ってくれる。

そして3月5日、僕の会社は破産開始決定となった。

 

ネットの情報は早いものだ。

会社名を検索すると、すぐに「○○(僕の会社)破産開始決定」と、でてきた。

 

次のステップは裁判所が選任した破産管財人との顔合わせと打ち合わせだ。

この破産管財人も、ネットの情報によると人それぞれみたいなところがあるので、どんな人なのか内心不安だった。

 

そしてもう一つ大事な事が決まっていた。

 

第一回債権者集会は5月30日