会社を倒産させるという事

35歳で会社を倒産させた壮絶な日々を赤裸々に綴ります。

9.会社設立から倒産までの軌跡 ~先行投資の罠~

僕は4ヶ月の鬱憤を晴らすように売りまくった。

 

不動産売買の入金は遅い。

早くて1ヶ月後、遅いものだと半年も先になる。

9月に契約したものの入金が翌年の3月だったりするのだ。

日銭を稼げる小売業が本当にうらやましかった。

 

とはいえ、まとまった額の入金の目途を立てたのだ。

借りた300万円の返済もスタートしてしまう。

それでも悲しいかな手元にはお金がないのだ。

 

頑張ってやっていれば見ている人は見てくれている。

そうだ僕には取り急ぎ宅建業の登録費用160万円が必要なのだ。

なんと、K取締役の会社のM社長の弟さんが貸してくれると言ってくれたのだ。

もちろん担保は契約した入金予定だ。

十分な入金額はあるとの事で、僕は頭を下げて借りることにした。

 

そういえば僕は人に頭を下げるのがものすごく嫌いだった。

頭を下げない人生を歩むためにそういう職業に就こうかと思ったくらいだ。

医者、弁護士、政治家。。。

先生と呼ばれる職業だ。

しかしながら、すっかり僕は頭を下げる事に抵抗がなくなっている。

人間の順応性はすごいなと感じていた。

 

僕はようやく自分の会社として不動産の営業ができるようになった。

6月には許可が下りていたが、支払えなかったので結局10月になってしまった。

それでも第一次ピンチを切り抜け僕は自信を持ててきた。

 

自分の会社として運営していけると思うと、なんか色々したくなってしまう。

この考えが間違いだったと今は感じている。

 

●ホームページを作りたい。

 

●折込広告を入れて広く宣伝したい。

 

●ネット集客をしたい。

 

●営業マンを雇いたい。

 

●車がほしい。

 

これを全て実現してしまったのだ。

理由は簡単だ。

これらを実現するためにかかわる業者と数社あって僕は色々聞いた。

 

なんと費用は後払いなのだ。

 

いわゆる買掛金てやつだ。

お金を払わずに先に欲しいものが手に入る。

夢のような話だった。

 

ホームページと折込広告は同じ業者だったので、合わせて100万く円らいだ。

特に折込広告というのは僕の世代の不動産屋は魂を注いで作りこむ。

気合いの10万部の折込広告だ。

 

ネット集客もやりたかった。

ステ看で十分だったが、自分の会社をアピールしたいと欲がでたのだ。

今主流のsuumoは住宅情報ナビという名前だっただろうか?

やりたかったが高いので諦めた。

アットホームは反響が取れるイメージがなかったのでやめた。

結局ホームズとホームプラザというサイトに掲載することにした。

費用が安かったのだ。

 

営業マンは、たまたま声を掛けた10年来の後輩が乗ってきた。

夜のバーテンダーをしているが昼間の仕事がしたいと。

彼とは昔ガソリンスタンドで働いていた時の先輩後輩で高橋克典に似てイケメンなのが鼻に付くが気の知れた仲だ。

月給20万円で雇う事にした。

 

車は社長らしいものを買おうとセルシオを買ってしまった。

ローンが通ったらと思ったら意外にも通ったのだ。

ちなみに営業車としてもう一台20万円くらいで入手した。

 

 

結構な額の先行投資をしてしまった。

 

 

この後訪れる第二次ピンチを前に僕の気持ちは

 

 

 

晴れ晴れ

 

 

 

していたのでした。